2023年世界アルツハイマーデー記念講演会

テーマ「もっと知ろう　もっと語ろう　認知症」

ミニ演奏会　「フルート・ヴァイオリン・ピアノと愉しむ午後のひととき」
基調講演　　「認知症とともに暮らすこと」―SHIGETAハウスの経験から―

日時：2023年10月6日（金）
会場：千葉市文化センターアートホール

ミニ演奏会

「フルート・ヴァイオリン・ピアノと愉しむ午後のひととき」

演奏者：中村信子氏（フルート）・澤田香萌氏（ヴァイオリン・ヴィオラ）・澤田仁香氏（ピアノ）

講演会前半は皆様と音楽を楽しみました。まさに題名の通り「午後のひとときを愉しむ」最上のプレゼントでした。
フルートの中村氏は社会福祉士として千葉市あんしんケアセンター幸町に勤務し、また社会人の吹奏楽団に所属して演奏を楽しんでいます。澤田氏は親子でプロの演奏家として各地で演奏活動を行い、後進の指導、育成にも力を入れています。

演奏曲は「浜辺の歌」や「情熱大陸」「ふるさと」など馴染みの曲が多く、アンコールを含めて8曲を演奏していただきました。

ヴァイオリンとヴィオラの違いや楽曲の背景なども知ることができ、至福のひと時を過ごしました。

来場者からは「音楽っていいね！」「こんな機会はなかなかないから今日来られてよかった！」などの声が聞かれました。

基調講演

「認知症とともに暮らすこと」ーSHIGETAハウスの経験から－

講師：繫田雅弘氏　東京慈恵会医科大学精神医学講座　教授・日本認知症ケア学会　理事長

母親が施設入所した後、実家を「平塚カフェ」として開放しました。その後認知症の本格的な支援を行うために、決められたプログラムではなく、認知症本人の意見を聞きアクティビティを決めていきます。参加するのもしないのも自由。本人が一番居心地が良いと思う状況を作ることを第一に考えました。
認知症本人の立場に立って、想像することを提唱されました。以前、本人を診ているのにその内容をご家族に向かって話していた時に、本人の「何故自分に言ってくれないのか？」という反応に気づき、それ以降、しっかり本人と向き合うことを意識しています。

専門職の方も、本人の不安な思いに少しでも共感できれば、これからは本人の心に届く言葉を選ぶことができます。支援をする側、される側という意識ではなく、当事者に教えてもらおうと思って接することで、敬意が生まれてきます。

認知症になっても自立して生きていける社会の構築には、まだまだ私たちの意識改革が必要だと感じた講演でした。