2019年度 ちば認知症相談コールセンター相談データ分析
■2019年度の相談傾向
相談件数は昨年より7件増えて768件でした。ここ3年間相談件数は760件前後で推移し、あまり変化はみられません。国や地方自治体で認知症に対する施策が進み、相談窓口が多様化してきていますが、コールセンターの存在は定着し、認知症相談における欠くことのできない社会資源の一つとして認められてきていると考えます。
また、認知症本人や家族にとって認知症地域支援推進員や認知症コーディネーターなどの設置や、認知症カフエの企画・運営にさまざまな機関がかかわるようになり、身近なところで相談ができ支援してもらえる環境が広がっていることは心強いことだと思います。
相談者の家庭環境は、長寿社会を反映し本人の年齢80歳以上が52%、65歳以上を含めると実に88%が高齢者の家庭です。独居及び夫婦のみの世帯が43%もあり、病気を抱えていても一人で生活をし、また配偶者がいたとしても、介護をする配偶者も高齢者であり老々介護をせざるを得ない実態が窺えます。このことと関連して、実子からの相談が50%(うち実娘が34%)と最も多かったのは、高齢の親を案じての電話相談が多く含まれているものと推測できます。
家族内で介護の担い手は多様化してきています。夫婦、親子、嫁、兄弟姉妹等それぞれ家庭の事情により関わり方も違ってきています。認知症本人を抱え将来に対する不安を訴える件数が多いのは事実ですが、「不安」の内容は人間関係も含めて、介護を担っている世代毎に様々です。それぞれの実情に合ったきめ細やかな社会支援が必要とされる所以です。
顔が見える相談(つどい、交流会)も有意義で必要であるが、電話相談は高齢の介護者や独居の方にとっては、欠かせない救いの場であります。安心して「話せる場」「聴いてもらえる場」を見いだす事が介護者のストレス軽減に繋がる第1歩であることは相談内容を見ても一目瞭然です。施設入所者は身近で専門職の支援が受けられる安心感がありますが、電話相談の対象者は78%が認知症になっても在宅で生活をしている人たちです。本人のみならず介護する家族の生活も保障されなければ「認知症があっても安心して暮らせる社会」とはなりません。コールセンターは相談者に寄り添って耳を傾け、溜めている悩みや愚痴を吐き出しストレスを発散できる場として、これからも介護を前向きに捉えられるような支援をしていきたいと考えています。